エールホームクリニック

ドクターズコラム

あたらしい病診連携のカタチ

2021年4月12日

長岡赤十字病院の今の時代に必要な、新しい病診連携の取り組み提案(令和3年1月発行、長岡赤十字病院 病診連携室だより第69号「新年のご挨拶」-地域連携・患者サポートセンター長 佐伯敬子氏-)に医療法人メディカルビットバレーとして全面的に共感いたします。
個人的にも、長岡赤十字病院は前勤務先であり、また、地域連携・患者サポートセンター長の佐伯敬子先生には5年前に長岡に戻ってきて以来、公私にわたり大変お世話になっております。
このような環境ですので、長岡赤十字病院の病診連携の取り組みに対して、人一倍想いが強いのです。そこで、この取り組みをできるだけ多くの方に伝えることで、少しでもサポートできればと思います。
MBVは、発信にとても力を入れています。ホームページやSNSは新潟県内だけでなく、東京、神奈川といった首都圏を中心にたくさんの方が閲覧してくれています。
ちょうどホームページは4/6にリニューアルしたばかりですし、noteも同日に始めたばかりです。
このタイミングで、エールホームクリニック6人の医師が長岡赤十字病院の取り組みへの共感を伝え、そしてエールを送ることにしたのです。
こうした僕たちの小さな行動が、長岡赤十字病院の大きな取り組みの推進力に少しでもなれれば嬉しいです。

私は、大学病院を始めとした病院勤務と前職である皮膚科医院での勤務の両者を経験しました。それらの経験から、医療機関には適切な役割分担があるのだということを再認識いたしました。
大学病院や長岡赤十字病院のような地域の中枢となる基幹病院は、入院治療や大きな手術、3次救急といわれる高度救急医療を提供するのが主たる役割です。
一方で、私たち診療所・クリニックは、患者さまが医療を受けるための最初の窓口であり、さまざまなお悩みに適切に対応し、治療を行うことに加えて、必要があれば基幹病院に治療をお願いすることが役割です。また、基幹病院へ通院されている症状の落ち着いた方を逆紹介いただき、継続的にフォローするのも私たちの大切な役目です。
この役割分担をしっかりと行うには、病院と診療所の信頼ある連携が必須です。
今回、長岡赤十字病院の佐伯先生から、この医療機関同士の連携を強化し、役割分担をしっかりと行いたいというご提言をいただいたのは、とても重要なことであり、私自身も賛同いたします。
患者さまの利益となる「真の病診連携」を行えるよう、精進していきたいと思います。

内科各領域の治療は年々新規薬剤が開発され、専門外の分野の診療・治療を行うことの敷居が高くなっています。
私は、リウマチ膠原病領域を専門とし、首都圏の大学病院に勤務後、数年前からこの3月まで長岡赤十字病院で働きました。
首都圏では専門医へのアクセスが良好で、患者さまの病状や希望に応じて、総合病院から専門治療可能な診療所・かかりつけ医まで選択肢が多くあります。一方、地方は医師数全体の不足とともに専門医が絶対的に少なく、地域の一般診療所と総合病院に二極化し、その結果、症状発現から専門医受診までに時間がかかり、診断・治療に遅れが生じたり、総合病院医師が外来診療に多くの時間を割き、本来期待される入院を要する急性期治療や救急対応に専念できなかったりといった問題が生じています。
これは取りも直さず、患者さまの不利益につながります。
当院は複数の専門医が常勤で働いており、地域の専門的なクリニックです。
患者さまが気軽にアクセスでき、安心して専門治療を受けられる体制をつくり、長岡赤十字病院を始めとする地域医療支援病院と協力を密にして、地域医療の底上げを図りたいと考えています。

コロナ禍と言われる状況が長期化すると予想される中で、小児科診療においても地域連携の重要性は増すばかりだと感じています。
私が都内の高次医療機関である小児科専門病院に勤めていたころ、多くの患者さまが押し寄せた時期がありました。しかし、多くの一次医療機関、二次医療機関の医療従事者のご協力があり、質を下げることなく診療を続けることができました。
現在はクリニックで診療に従事する立場になりましたが、あのときの経験を忘れず、誠心誠意をもって診療を継続したいと思います。
予防接種や健診はもちろんですが、クリニックで発熱児の診察を行うことも大切だと感じています。今の社会情勢において、発熱患者は医療機関を受診しにくくなっておりますが、小児はよく風邪をひきます。もしすべての発熱患者が高次医療機関に押し寄せたら病院の機能を維持できません。そのようなことが起こらぬよう、当院では導線を分けることで常時発熱患者さまの診察を行っています。
高次医療機関の「外来のスリム化」に貢献できるように努めていきたいと考えています。

このたび私は、長岡赤十字病院の地域連携に対する取り組みとお考えを拝読しました。
私は約14年間同院に勤務し、複数の診療科に通院されている患者さまを診療する機会がありました。
そのような方が体調不良を訴えて受診された場合、私は総合診療医として、適切な診療科の医師にご相談し、また、私自身が主治医をさせていただくこともありました。この経験が患者さまに寄り添い、総合的に診察するという心がけを私にもたせてくれました。
私たちのクリニックには、複数の持病や体調不良があるにも関わらず、どの診療科を受診したらよいかわからず、お困りの患者さまがよく来院されます。
患者さまを総合的に診察し、適切な診療科への受診を判断するうえで、医療機関どうしのスムーズな連携が極めて大切だと痛感しています。
長岡赤十字病院における施設共同利用、かかりつけ医への逆紹介の推進など、地域の患者さまにとって大きなメリットとなる施策について、全面的に賛同いたします。

この度、長岡赤十字病院 地域医療連携・患者サポートセンター長 佐伯敬子先生の新年寄稿を拝読させていただき、心より共感いたしました。
同時に微力ながら、私共も長岡赤十字病院の取り組みに何かお力になれることはないかと思い、私なりの想いを寄せさせていただきます。

まずは、このコロナ禍において、川嶋院長をはじめ対策・運営の陣頭指揮をとっておられる皆様、現場で日々診療に当たる先生、また医療スタッフの皆様方の多大なるご苦労に深く感謝しています。
私は、皮膚科医として新潟大学で勤務した後、この春よりご縁をいただきエールホームクリニックで勤務しております。
長岡で勤務を始めて間もない立場ではございますが、長岡赤十字病院は長岡地域における医療のまさに”要”であると考えております。
新潟大学勤務時には、上中越地区の基幹病院で週何回かの外勤をすることがございました。皮膚科は外来診療が主体の診療科ですが、時に入院を要する患者さまを外勤先で診察することがあります。その際、長岡赤十字病院皮膚科の梅森幸恵先生にお電話をするといつも快く受け入れていただきました。
もちろん、新潟大学病院など、新潟市内の基幹病院へ転送するという選択肢もあるのですが、患者さまからは、やはり長岡赤十字病院への紹介をお願いしたい、という声を耳にする機会が多くありました。
長岡赤十字病院を大変心強く頼りにさせていただいていたのと同時に、あらためて長年かけて培われてきた上中越地区の患者さまの信頼の大きさに、心からの敬意を感じずにはいられませんでした。
ところが、平常の診療に加えてコロナ禍の中、これまで以上に長岡赤十字病院の負担が急増しております。そしてCOVID-19への対応を見据えた対応策として、佐伯先生のリーダーシップのもと、外来診療スリム化にむけ近隣連携施設への外来患者受け入れ協力を積極的に呼びかけられていることを記事で知りました。

是非とも当クリニックにお手伝いさせていただけないでしょうか。

私自身は皮膚科医であり、お力になれることは限られております。そこで、まずは自らの専門分野である乾癬から連携をはじめて参りたいと考えております。第一歩として生物学的製剤使用可能施設の認定について、すでに長岡赤十字病院および新潟大学病院を連携施設として申請を済ませております。関節炎を伴う患者さまも、当クリニックのリウマチ科と連携することでかなりの部分の患者さんを診療可能です。また、当クリニックは内科・小児科・皮膚科それぞれの専門医と検査設備を兼ね備えております。願わくば皮膚疾患に限らず、病状の落ち着いた内科や小児科の患者さまについても、紹介いただく先として当クリニックの名を挙げていただければ幸いです。

次に「地域医療支援病院の柱の一つである、”地域の医療従事者への生涯教育の実施”」についても当クリニックで何かお力になれることはないでしょうか。
私は、日本皮膚科学会新潟地方会事務局長を担当しておりました。
「コロナ禍においても会員への生涯教育を絶え間なく行う」という阿部会長の理念のもと、昨年6月に皮膚科地方会では全国初となる地方会のオンライン開催を行いました。
私一人で実現したものでは決してありませんし、至らぬ点も多々あったかとは思いますが、任期中に手弁当で4回の開催をいたしました。是非ともそのノウハウを、佐伯先生の目指すところのITを活用した地域医療の活性化にお役立ていただければと存じます。
講演会や勉強会などのオンライン開催を業者に依頼するとなると大変な費用がかかることから、現実的にはスポンサーにご協力いただかなければ実施は難しいものと考えます。
講演の内容についてもスポンサーの意向で多少の制限が加わることもございます。
長岡赤十字病院がこれまで絶え間なく発信されてきた、”地域の医療従事者への生涯教育“のコロナ禍における実施にむけ、もし当クリニックでお力になれることがあれば、大変嬉しく思います。

誠に勝手ながら、佐伯先生をお手本とさせていただき、言行不一致に終わることのないよう、当クリニックでも早急に「地域医療連携センター」を立ち上げたいと考えております。
そして長岡赤十字病院をはじめ、長岡地域の基幹病院と双方向で密な連携をはかりたいと考えております。

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