エールホームクリニック

皮膚科~特別編~

お⼦さまからご年配の方まですべての年代のあらゆる⽪膚トラブルに幅広く対応します。アトピー性皮膚炎や接触皮膚炎(かぶれ)、足白癬(水虫)、ざ瘡(にきび)などは、皆さまもご存じだと思います。その他に、乾癬、皮膚腫瘍(できもの)、円形脱毛症や男性型脱毛症などの髪の毛の病気、とびひやイボなどの皮膚感染症や、薬疹、陥入爪(巻き爪)など爪の病気、汗が出にくい・汗がたくさん出て困るなどの汗に関するお悩み、外傷(すり傷、きり傷)、熱傷(やけど)など、皮膚科で扱う疾患は多岐にわたります。当クリニックでは、複数の皮膚科専門医による丁寧できめこまやかな診察を行い、患者さまに合った適切なスキンケア指導と治療を行います。
また、「皮膚は内臓の鏡」という言葉がありますように、皮膚の症状から内臓の疾患(糖尿病、胃がんや肺がんなど)が発見されることもあります。膠原病も皮膚の症状を伴う代表的な全身疾患です。当クリニックには内科やリウマチ科専門医が在籍しており、互いに連携をとりながらこれら内臓や全身に関わる疾患の診断・治療を行います。また小児科も併設されており、お子さまで気管支喘息やアトピー性皮膚炎でお悩みの方にも安心して通院いただけます。
皮膚、爪、髪の毛や汗のことで気になることがございましたら、どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。

対象疾患

接触皮膚炎

さまざまなものを原因として起こる疾患です。一般的に「かぶれ」といわれるものです。
アレルギーの状態を生じて起こるアレルギー性接触皮膚炎と原因物質の刺激により生じる一次刺激性接触皮膚炎があります。全身どこでも生じる可能性がありますが、原因物質が触れることによって症状が出ますので、ある程度場所が決まっていることも多いです。
例えば、シャンプーやリンス、毛染めなら頭部から顔面、化粧品は顔面、手袋なら両手、湿布薬であれば貼っていた場所、という具合です。
症状を改善させるために、主にステロイドの塗り薬が使われますが、原因物質との接触が続くと症状を繰り返してしまいます。とくに仕事で扱うものが原因の場合には、治りにくくなる傾向にあります(職業性接触皮膚炎)。ですから、ただ塗り薬を使い続けるのではなく、しっかりと原因物質を見極めて、使用中止や接触機会を減らすことが重要です。原因物質の特定にはパッチテスト(皮膚貼布試験)という検査を行います。

アトピー性皮膚炎

アトピー素因という、いわゆるアレルギー体質のある方に生じやすいといわれています。アトピー素因とは、①ご本人やご家族が気管支喘息・アトピー性皮膚炎・アレルギー性鼻炎や結膜炎のいずれかもしくは複数の疾患を持っている、②IgE抗体を産生しやすい素因、と定義されています。
多くの患者さまでは、生まれつき皮膚の乾燥があり、体のいろいろな場所にかゆみのある湿疹が出現し、良くなったり悪くなったりを繰り返します。このような⽪膚の状態があると、皮膚の重要な役割の一つであるバリア機能が低下し、皮膚を介してダニやホコリといったさまざまなものにアレルギーを生じます。実際にアトピー性⽪膚炎の患者さまでは、それらに対するアレルギーのある⽅が多くみられます。症状を悪化させる要素として、生活環境も影響するといわれていますので、お部屋のこまめな掃除や衣類・寝具の洗濯などをしっかり行うことも症状の改善・悪化予防につながります。また夏場の汗や冬場の乾燥、体の洗いすぎなども悪化要因になりますので、普段からのスキンケアも大切です。
治療の中心は、保湿剤やステロイド剤・免疫抑制剤(タクロリムス軟膏)の塗り薬です。
さらに昨年(2020年)には、ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬という新しい塗り薬(デルゴシチニブ軟膏)が登場しました。きちんと塗り薬を使用することで、多くの方は症状が改善し、かゆみも軽減します。また、近年ではアトピー性皮膚炎があることで、幼少期に皮膚を介して食物アレルギーを生じる場合のあることがわかってきています。そのため乳幼児や小児のころからしっかりと塗り薬による治療を行って、皮膚をよい状態に保つことが重要であるといわれています。毎⽇塗り薬をきちんと塗ることは⼤変な作業ですが、皮膚をよい状態にしておくことで、生活の質の向上も望めると考えますので、できるだけ薬を塗るようにしてください。
塗り薬のみで症状の改善が不十分な場合には、抗アレルギー剤といわれるかゆみをやわらげる飲み薬を使用することがしばしばです。それでも症状が強く改善が難しい時には、紫外線を当てる光線療法(ナローバンドUVB)や免疫抑制剤の飲み薬(シクロスポリン)、生物学的製剤といわれる注射薬(デュピルマブ)を使用する場合もあります。
アトピー性皮膚炎の治療は、時間をかけながらじっくりと継続的に行っていくことがとても重要です。私たちがそのお⼿伝いをさせていただければ幸いです。

乾癬

皮膚に、境目のはっきりした表面に白いカサカサ(鱗屑)がついた赤み(紅斑)が体のいろいろな場所にできます。この赤みはかゆみがあまりないといわれてきましたが、実際には強いかゆみのある患者さんも多くいます。症状の出かたにより、いくつかの病型があります。最もよく見られるものは、最初に書いたような赤みの出る尋常性乾癬といわれるものです。その他に、高熱と膿疱(膿のたまる白っぽい水ぶくれ)がたくさん出現する膿疱性乾癬や、皮膚の赤みに加えて関節リウマチに類似した関節の痛みと変形を生じる関節症性乾癬などがあります。また乾癬の患者さんは、心筋梗塞や脳卒中、高脂血症といった疾患のリスクが高いといわれています。なお、「かんせん」という病名から他人にうつる疾患と誤解されるケースがありますが、うつるものではありません。
赤みの表面にある白いカサカサ(鱗屑)が剥がれ落ちることで、頭皮であればフケのようになったり、体であれば浴槽に鱗屑が浮いてしまったりするため、患者さんが不潔と思われると考えて、日常生活を思うように送れなくなることがあり、QOLの低下につながる場合があります。また関節症性乾癬の患者さんでは関節痛と関節変形のため、体の動きに制限を生じてしまうことで、QOLが低下します。
乾癬の原因は、まだ完全には解明されていませんが、本来は人体を守るために存在する免疫細胞の働きに異常が生じて皮膚に炎症を起こす疾患だということがわかってきています。
乾癬はいまのところ完治をさせることができない疾患ですが、さまざまな治療法があり、症状を悪化させないようにすることで通常の生活を支障なく送ることができます。治療の基本は塗り薬による治療です。使用される塗り薬は、ステロイド剤、ビタミンD3製剤、これら2種類の合剤です。塗り薬を基本として、次にあげるような治療法を組み合わせていきます。①紫外線を当てる光線療法(ナローバンドUVB、エキシマライト)、②飲み薬:Ⓐエトレチナート(皮膚のカサカサを軽減するビタミンの一種)、Ⓑ免疫抑制剤(シクロスポリン)、ⒸPDE4阻害剤(アプレミラスト:乾癬の病状に関係する炎症細胞の働きを抑える薬剤)、③生物学的製剤(数種類あり、全て注射薬です:乾癬の原因となる免疫細胞の異常を抑える薬剤)
乾癬の治療薬は、現在進行形で新しいものが次々と登場しており、疾患の原因解明と並行して、患者さんのQOL向上に寄与しています。当クリニックでは、長年乾癬の専門外来を担当した医師が在籍しており、患者さんのさまざまなお悩みに対応してまいります。

蕁麻疹

膨疹といわれる腫れぼったい赤み(ミミズ腫れ)が体のいろいろな場所に現れます。強いかゆみを伴います。肥満細胞といわれる免疫細胞が何らかの刺激により、ヒスタミンといわれる物質を放出することで症状が出ます。ひとつひとつの膨疹は、数時間のうちに消えてしまい、痕も残りません。診察の際に、皮疹が全く出ていないということもよくあります。ただし、全身のどこでも出現する可能性がありますので、膨疹が移動して出現しているような状態になります。
蕁麻疹というと、「生魚に当たった」とか「薬のアレルギーかもしれない」などのイメージが強いですが、はっきりと原因のわかるものはごく一部です。じんましんの7割ほどは原因がわからないといわれています。多くの方は、症状が出ても1-2週間程度で改善しますが、一部の患者さんは慢性蕁麻疹といって、治療をしていないと症状が続くことがあります。一方で、食物や薬、ハチ刺されなど原因がはっきりとした蕁麻疹の場合、アナフィラキシーという急激に起こるアレルギーの部分症状のことがあり、注意が必要です。最も重篤になると、呼吸困難や血圧低下を生じるアナフィラキシーショックという状態になり、命に関わることもあります。
蕁麻疹の治療は、抗アレルギー剤という飲み薬を使用します。ほとんどの患者さまでは、1種類の薬で症状が改善します。しかし、なかなか治まらない方では、薬の飲む量を増やしたり、数種類の薬を組み合わせます。また最近では、難治性の慢性蕁麻疹に対してオマリズマブという生物学的製剤が使用できるようになりました。

足白癬、爪白癬

水虫のことです。白癬菌という真菌(カビ)が皮膚や爪に感染して起こります。
白癬菌はケラチンという皮膚や爪を作る蛋白質を栄養分としています。トイレのスリッパやお風呂場の足ふきマットなど、裸足で複数の人たちが使用したり踏みしめるようなものを介して感染します。症状にはさまざまなタイプがあります。足のゆびの間がジュクジュクしたりふやけて白くなる趾間型、足の裏に小さい水ぶくれのできる小水疱型、足の裏の皮膚が厚くなりガサガサになる角化型が主なものです。爪白癬の場合は、爪が白く濁ってきたり、厚くなってボロボロになったりします。水虫というとかゆみがあるイメージですが、あまりかゆみがない場合がしばしばあります。また、水虫があることで皮膚に小さい傷などができていることがあり、そこから細菌感染を起こすと蜂窩織炎という別の病気を引き起こすことがありますので、たかが水虫と思わずに治療を行うことが重要です。
水虫を確認するための検査は、皮疹のある場所の皮膚や爪をこすり取って、顕微鏡で確認します(真菌顕微鏡検査)。水虫の場合、糸状の真菌が見えますので、診断が確定します。
治療は、抗真菌剤という白癬菌を退治する塗り薬を使います。種類はさまざまありますが、どのお薬もしっかりとした効果がみられます。爪白癬の場合、塗り薬では効果が不十分なことが多く、飲み薬(イトラコナゾール、テルビナフィン、ホスラブコナゾール)による治療が主体になりますが、近年は爪への浸透力の強い塗り薬(エフィコナゾール液、ルリコナゾール液)も登場しています。
足白癬も爪白癬もしっかりと治療をしてもすぐにはよくなりにくいです。数か月~半年ほど根気よく治療を継続することが大切です。

伝染性膿痂疹

一般的に、とびひといわれます。乳幼児から小学生くらいまでのお子さまによくみられます。夏場に多いです。皮膚にブドウ球菌もしくはレンサ球菌という細菌が感染を起こすことで生じます。いろいろな場所の皮膚に、水ぶくれができて、破れるとジュクジュクした浅い傷になります。皮疹があちこち増えていくため、とびひといわれます。
接触することで感染するため、互いに接触することの多い⼦ども達の間(通園先の同級生や兄弟など)で感染が広がることがあります。
治療は、病変の範囲が狭く軽症の場合には、抗菌剤の塗り薬でよくなります。病変の範囲が広い場合には、飲み薬の抗菌剤も使用します。おおむね1~2週間程度で治癒します。
兄弟のなかで患者がいる場合には、入浴やタオルなどは別にしたりすることが大切です。
保育園や学校などは、患部をガーゼで覆っていれば、休む必要はありません。

ウイルス性疣贅(ゆうぜい)

イボのことです。ヒト乳頭腫ウイルス(パピローマウイルス)の感染により起こります。
手足によく見られ、皮膚科を受診する患者さんの多い疾患の一つです。成人よりお子さまの患者さまが多い傾向にあります。皮膚科においてはありふれた疾患ではありますが、一部の患者さまでは数年にわたって治療が必要になる場合もあります。
典型的には、手の指や足の裏などに表面が少しザラザラした感じの1cmくらいまでの皮疹ができます。接触して感染しますので、指の側面にイボがあると、隣の指の当たる場所にもイボができたりします。接触してうつるとはいえ、いつどこでうつったかはよくわからないことがほとんどです。
治療は、液体窒素による冷凍凝固療法が主体です。液体窒素で冷やした綿棒や専用の噴霧スプレーを用いて、患部を凍結させることでウイルスを死滅させる治療です。治療効果は高いといわれますが、繰り返しの処置が必要で、処置時に痛みを伴うという欠点があるため、小さいお子さんにはできないこともあります。その他の治療としては、サリチル酸の貼り薬(スピール膏)、ヨクイニン内服などがよく行われます。いずれの治療でも、すぐには治らないことが多いため、継続的に治療をしていくことが重要です。

単純疱疹(単純ヘルペス)

単純ヘルペスウイルス(HSV)による感染症です。幼小児期に感染し、その後は体内(神経)にウイルスがとどまっています。風邪をひいたり、長時間日光を浴びたりすることで、免疫力が低下した際に、ウイルスが増殖して症状が現れます。典型的には、口唇周囲にピリピリとした痛みを伴う小さい水ぶくれができます。口唇ヘルペスともいわれます。他には、外陰部に症状が出る場合もあり、性器ヘルペス(陰部ヘルペス)といわれます。
またアトピー性皮膚炎の方に、単純ヘルペスが出た場合に、重症化して広範囲に皮疹が出て、発熱を伴うことがあります(カポジ水痘様発疹症と呼ばれます)。
治療は抗ウイルス剤の飲み薬(バラシクロビル、ファムシクロビル)を使用します。1週間程度で軽快しますが、再発を繰り返す患者さんも多いです。
性器ヘルペスでしばしば再発を繰り返す患者さんでは、抗ウイルス剤(バラシクロビル)を継続的に内服する再発抑制療法がおこなわれることもあります。また最近では、再発を繰り返す患者さんが、症状が出そうなタイミングで内服を開始する治療(PatientInitiatedTherapy:PIT)がファムシクロビルで可能になりました。

帯状疱疹

水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の再発により生じます。VZVの初感染は、水痘(水ぼうそう)として起こります。HSVと同じように、多くの方は幼小児期に感染します。水痘の治癒後もウイルスは体内(神経)に潜んでいます。過労や加齢などにより免疫力が低下すると、ウイルスが増殖し神経に沿って皮膚に症状を起こします。患者さまは50歳以上のことが多く、年齢とともに増える傾向にあります(70歳代がピークといわれます)。
全身のどの場所にも症状が出る可能性がありますが、ほとんどは体の左右どちらかに帯状に水ぶくれと赤み(小水疱と浮腫性紅斑)が出現します(神経のある場所に一致しています)。多くの患者さまで強い痛みを伴います。症状の出た場所によっては、顔面神経麻痺(耳の近くに出た場合)や尿閉(下腹部に出た場合に、尿が出にくくなることがある)などを起こすことがあります。 
治療は抗ウイルス剤(バラシクロビル、ファムシクロビル、アメナメビル)の内服です。
(重症な方では、入院可能な施設で抗ウイルス剤の点滴を行うこともあります)
帯状疱疹で最も問題になるのは痛みです。病気が始まった時の痛み(急性期痛)だけでなく、一部の患者さまでは皮膚の症状が治った後も、数か月以上痛みが続くことがあります(帯状疱疹後神経痛)。帯状疱疹の痛みは、症状の出現に気づいてからできるだけ早めに治療を始めると残りにくくなるといわれています。逆にいえば、治療が遅れると痛みが残りやすくなりますので、帯状疱疹かもしれないと感じたら、早めに医療機関を受診されることが大切です。痛みの治療には、アセトアミノフェン、プレガバリン、ミロガバリン、トラマドール・アセトアミノフェン配合剤といったさまざまな種類の痛みをやわらげる薬を使用します。
最近は、50歳以上の方に対して、発症を予防するワクチンを行うことができるようになりました(ただし自費診療です)。

円形脱毛症

自己免疫疾患といわれる免疫細胞の働きに異常が生じて起こる疾患です。本来は体の外から侵入してくるウイルスや細菌などを退治するために働くリンパ球が、自分の体の一部である毛髪を排除しようとして脱毛が生じます。もともと円形脱毛症になりやすい体質のある方に、ストレスなどが引き金になって脱毛が始まるといわれています。
主に頭部に数cm程度の円形の脱毛部(脱毛斑)ができます。脱毛斑の中では、短く根元が細くなった毛(!マークに似ているため、感嘆符毛と呼ばれます)やさらに短くちぎれて黒点状になった毛がみられます。脱毛は、頭部に1~2個程度みられる比較的軽症な場合から頭部全体や他の体毛にまで及ぶ重症な場合までさまざまです。いったんよくなっても再発しやすい傾向があるのも特徴です。
一度症状が始まると、速やかに軽快するときでも数か月を要します。時間をかけて治療を続ける必要があります。
治療は、軽症な場合には無治療でも改善することもありますが、初期にはステロイド剤の塗り薬を使用することが多いです。他にはセファランチンやグリチルリチンの飲み薬を飲んだり、液体窒素による凍結療法や紫外線を当てる光線療法(エキシマライト)を行います。
急激に頭部全体に脱⽑が⽣じる重症な患者さまでは、ステロイド剤を点滴するステロイドパルス療法を行うこともあり、比較的高い治療効果が見られます。

皮膚腫瘍(できもの)

良性のものから悪性のものまで数多くあります。
診断をするにあたり(皮膚腫瘍に限ったことではないのですが)、通常の視診や触診を行うのはもちろんですが、ダーモスコピーという拡大鏡のような検査器具を用いたり、エコーなどを使いながら、より正確な診断を行います。さらに正確な診断をするために、生検(バイオプシー)という組織検査を行う場合もあります。
できもので気になるものがありましたら、いつでもご相談ください。
比較的代表的なものを挙げます。

〇粉瘤(アテローマ)

「皮膚にしこりができた」といって受診される患者さまの多くがこの腫瘍です。全身のどこにでもみられます。受診時には、1cmほどの大きさのことが多いです。触るとやや硬いしこりで、角質(垢)を溜めた袋状のできものです。放置していても問題のないことがほとんどですが、徐々に大きくなってきたり、時々炎症を起こして急に腫れたりすることがありますので、希望があれば切除します。

〇色素性母斑(ホクロ)

ホクロのことです。通常は2-3mm程度の茶-黒色の色素斑です。「ホクロの癌」といわれる悪性黒色腫(メラノーマ)との鑑別が重要になることがあります(ダーモスコピーが有用です)。良性のものですので放置しても問題はありませんが、整容面などで気になる場合は、切除やレーザーによる除去を行います。

〇脂漏性角化症

老人性疣贅ともいわれ、加齢に伴って顔面や体にできる黒色の腫瘍です。表面がザラザラした感じのできもので、数mm-数cmまで大きさはさまざまです。時に、皮膚癌(有棘細胞癌や悪性黒色腫)との鑑別が必要になることがあります。液体窒素による冷凍凝固療法、レーザーによる除去、切除などを行います。まれに脂漏性角化症が全身に急激に増加した場合に、内臓の癌(胃癌など)を見つけるきっかけになることがあります(レザー・トレラー徴候といわれます)。

〇皮膚癌

皮膚癌といいましても、いくつかの種類があります。また代表的なものを列挙します。

基底細胞癌皮膚癌の中で最も多いものです。主に顔面に生じる黒色の腫瘍です。表面にロウソクをぬったような特徴的な光沢のあることが多いです。ダーモスコピーが診断にとても有用です。比較的大きくなるスピードがゆっくりで、ホクロと思われて長年放置されている場合があります。他の臓器に転移することはまれで、手術でしっかり切除を行えば、ほとんどの患者さんで完治します。
有棘細胞癌(ゆうきょくさいぼうがん)比較的赤い色調の腫瘍です。大きくなると腫瘍が崩れて、悪臭を伴うことがあります。
発生母地といわれる癌ができやすい皮膚の状態が存在している場合が多いです(昔のやけどの治った傷痕や慢性膿皮症といわれるおでき、長年にわたって治らない皮膚の傷など)。また日光角化症やボーエン病といういわゆる早期癌の状態から進展して生じる場合もあります。治療は切除を行うことが重要です。
悪性黒色腫(メラノーマ)「ホクロの癌」といわれる腫瘍です(黒色のことが多いです。まれに色の赤いことがあります)。日本人では足の裏や爪に生じることが多いですが、顔面や体にできることもあります。ダーモスコピーによる診断が有用です。手術により切除することが基本ですが、病状により抗癌剤を併用することもあります。

スキンケアや皮膚科の治療について

スキンケアに関して、重要なのは主にお肌の洗い方です。
近年では、ボディソープのテレビCMなどでも言われるようになってきていますが、できるだけ手で体を洗うのが望ましいです。古くからの入浴習慣で、タオルでゴシゴシと垢を落とすように体を洗う方が多いと思いますが、皮膚にはよいことではありません。強く洗うことで、必要以上に皮脂を落としてしまい、皮膚の乾燥を悪化させたり傷をつくることがあります。このことにより、⽪膚のかゆみや湿疹ができることがあります。アトピー性皮膚炎や皮脂欠乏性皮膚炎のある方では、皮膚炎が悪化することもしばしば起こります。また、頭を洗うときは、ついつい爪を立ててゴシゴシ洗ってしまいがちですが、これもかえって頭皮を傷つけてしまいます。
できるだけタオルなどは使用せず、手で石鹸を泡立てて、なでるように優しく体を洗うことが大切です。頭を洗う場合も爪を立てないようにして洗いましょう。背中など手が届かない場所を洗う場合には、ナイロン製のタオルを避け、綿のような柔らかい材質のタオルを使用されることをおすすめします。洗い終わったあとは、洗い残しのないようにやさしく洗い流すようにしましょう。
皮膚の病気では、外用薬(塗り薬)による治療が基本です。
薬を塗るという行為は、飲み薬を飲むのとは異なり、とても面倒であるという側面があります。塗る範囲が広ければ、時間もかかりますし、塗り薬の種類によってはベタベタしてしまって気持ちが悪いという方もいらっしゃいます。しかし、薬をしっかり塗らないと皮膚の病気はなかなかよくなりません。
薬をつけるうえで重要なポイントがあります。
一つ目は一日に塗る回数です。多くの塗り薬は、一日に1-2回使用するのが標準的です。できるだけ使用回数を守って使うようにしてみましょう。多くの皮膚の疾患ではかゆみがあるため、かゆみがなくなると塗り薬を使うことを忘れてしまいがちですが、その時点では完全には治っていないことがほとんどですので、かゆみがなくなっても継続することが重要です。
二つ目は、薬を塗る量です。塗り薬は、使う量が少なければ効果が不十分になります。近年、塗り薬の使用量の目安としてよく言われるようになったものに、FTU(フィンガーティップユニット)というものがあります。人差し指の関節一つ分に出した軟膏の量が、おおよそ0.5gとされています。この分量の軟膏で手のひら2枚分の範囲に塗ることができますので、参考にされてみてください。
三つ目は塗り方です。薬を塗る場合に強く擦り込んで塗ってしまうことが多いですが、かえって皮膚に刺激をあたえてしまうことがありますので、避けたほうがよいでしょう。刷り込まず、手のひらなどを使って伸ばすイメージで塗るようにしてみることが重要です。
他にも重要な点として、塗り薬の種類と塗り心地があります。塗り薬の種類は、大きく分けて、軟膏、クリーム、ローションの3種類です。一般的にそれぞれ長所と短所があります。
軟膏は刺激が少なく、傷がある場所にも使用できる場合が多いですが、ベタベタして塗り心地があまりよくないという短所があります。ローションは乳液タイプのものがほとんどで、伸びやすく塗り心地がよいのですが、刺激を伴うことがあり、傷がある場所ではしみて痛みを生じることがあります。クリームはこれら2種類の中間的なものです。
塗り薬の治療を継続していく上で、塗り心地は重要です。患者さまとしては薬が効くのがわかっていても、塗り心地が合わないことで、薬をつけるのをやめてしまうことがよくあります。患者さまごとで塗り心地のお好みは違いますが、症状によってはお好みではない種類の塗り薬を使うほうが適切と判断される場合もありますので、患者さまと医師でよくお話をして、お薬を決めていきたいと考えております。
皮膚は適切なスキンケアで健康な状態を保てたり、皮膚病の悪化を軽減することが可能です。また、塗り薬を適切に使用することで多くの場合、症状は改善します。「薬をしっかり使えばよくなるんだ」ということを実感していただくことも大切です。
わたしたちは、みなさまの皮膚のお悩みを解決するお手伝いをさせていただきたいと考えておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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