それぞれの25メートル
第23話「それぞれの25メートル」 - 運営部 藤崎 舞子 –
日増しに暑さも本格的になり、夏本番になってきました。
海やプール、川遊びなどウォーターレジャーが楽しい季節ですね。
突然ですが、皆さんは泳げますか?
私の父は佐渡出身で泳ぎが上手く、前世は河童かと思うほど、どこまでも泳げる人です。(近年は色々な意味で河童化が進んでいますが…。)
私は残念ながら、泳ぎが苦手です。でも小学校の通知表を見ると水泳の欄は「よくできる」に〇がついています。理由は25M泳ぎ切ったからです。当時は25M泳ぐと合格という評価でした。
しかし実際、私は泳げません。正確には息継ぎができません。どうしても息継ぎしようとすると水を飲んでしまい、軽いパニックから足をついてしまうのです。
それでも体育でよい評価が欲しい…。苦肉の策で思いついた方法は息継ぎしないで25M泳ぎ切る泳法。泳法というか、息も絶え絶えになる危険なチャレンジなので、小さなお子様は決してマネしないでください。
記憶が確かなら小学校3年生くらいから中学生くらいまで恐らくこのバカバカしい泳法で水泳授業を乗り切り、偽りの「よくできる」を得てきたと思います。
結果として、私の体育の評価は下がることはありませんでした。これは結果論です。
しかし25M泳ぐということのプロセスはどうだったか。長い目で見ると大人になった今も息継ぎはできないし、泳ぐことに苦手意識を持ったままです。
ふと思うと、人生の様々なシーンにおいても同様のことが起きている気がします。
仕事の上でも新しいチャレンジを行わずに小手先のスキルで完結させてしまったり、子育ての上でも最短ルートでゴールさせるために小さな好奇心をスルーしてしまったり、結果に大きく比重を置いていることが多々あります。
結果はとても大事。でも同様にプロセスもとても大事。
時間は無限ではないけど、目の前の時間の許す限り小さなチャレンジを認め、プロセスを楽しめる余裕をもって生活したいと思うようになりました。複数のプロセスを許容できる心の豊かさは、結果として大きな成果を生み出すことに繋がるかもしれません。
さて暑い暑いこの夏、皆さんはどんなプロセスにチャレンジしてみますか?
……私は、とりあえず市民プールの初心者コースからでしょうか(笑)