見附小児集団接種から見えた未来
3月27日、見附市の第1回目の5-11歳を対象とした新型コロナワクチン集団接種を、当院ワクチンチームがお手伝いしました。
接種を終えて、“楽しかった“というのが一番の率直な感想です。
今回、私たちにとっても初めての小児集団接種でしたが、会場の雰囲気作りを重視して準備を行いました。
通常の定期接種とは異なり、新型コロナウイルスやその感染状況が今後どうなるか分からない、ワクチンの効果やデメリットの確かな全容がつかめない、マスメディアやインターネットを介して得る様々な情報をどう解釈してよいか分からない、など、多くのことがあまりにも不確かな中での接種です。
私たちにできることは、接種を受けると決め、会場にいらした親子の緊張感を少しでも緩和し、3週後すぐに控える2回目接種に安心して臨めるようにすることです。
看護師・事務スタッフがアイデアを出し合い、準備してくれました。
前夜のミーティングで接種会場での流れや救急対応法などの最終確認を行い、当日を迎えました。
受付でもらった“がんばるぞシール”を握りしめて接種ブースに入ってくるお子さん、泣いて注射を終えた後に塗り絵コーナーですぐに泣き止んで真剣に塗り絵を選ぶお子さん、待機時間中にかわいい映像をじっと見つめるお子さん、壁に貼った間違い探しや迷路に興じるお子さんなど、色々な姿が見られました。
会場や接種ブース内のかわいいデコレーション、様々なアイテムはお子さんの気を紛らわす声掛けにも有用でした。
接種後、それぞれの親子が和やかに過ごされていました。
私の自治体での集団接種の記憶は、自分が子供だったときと研修医時代の保健所のBCG集団接種に遡りますが、おぼろげながら、普段行き慣れない場所での独特な雰囲気が嫌でした。
身近なもののアイデア次第でこんなにも雰囲気が変わるものかと、子供達を惹きつけるスタッフの心配りにただただ感心しました。
このようなことも、チームで多くのワクチン接種を運用してきたノウハウがベースにあるからこそ、小児では会場作りの準備に注力できたのだと思います。
初めの頃は接種ブースに入ってくる親子を見るたびに、子供達に不自由な生活を強いている現状を想い涙が出そうでしたが、多くの子供達の元気な様子をみて、段々と私の方がパワーをもらい、穏やかな気持ちになれました。
接種を終えたすべてのお子さんが何事もなく会場を後にしたのを見届けた後、早く子供達が余計な不安無くやりたいことができる世になってほしいと強く願いつつ帰路につきました。
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