ドクターズコラム超特別編「前例なき業績」コロナワクチンプロジェクト150日の軌跡-リアルチーム医療を体感せよ-
前例なき業績
MBV代表/内科医師 澁谷裕之
いつも、ありがとうございます。
エールホームクリニックが6月から全力で取り組んできたコロナワクチンプロジェクトですが、11月末で第1章が閉幕しました。
高齢者接種、職域接種、一般接種、交互接種、ファイザー、モデルナ、アストラゼネカといったあらゆるニーズに総勢28人で対応し、接種総数は7万回を超えました。
臨機応変に立ち回り、適材適所を常に意識して、こういう時代だからこそすべて医師が接種するエールスタイルにこだわりました。
アナフィラキシーショック0、そして救急搬送0は強烈に誇るべき数字だと思います。
歴史、伝統のない僕たちにとって、まさに初めての、前例なき業績です。
この前例なき業績への想いを全スタッフで記録することにしました。
1人でも多くの方々に読んで感じていただければうれしいです。
12月から医療従事者を皮切りに3回目のワクチン接種が始まります。そして、エールでも来年早々、ワクチンプロジェクト第2章が開幕します。
平和な日常のために、みんなでエールスタイルの安心な医療をつくり、社会にとどけ続けていきたいと思います。
引き続き、みなさまからの熱いエールを宜しくお願いいたします。
※誕生日順に掲載しています
#01 職域接種に触れて
医療事務 早川真理奈
4月に入職し、ふた月を過ぎた頃にコロナワクチンの出張接種を行うと澁谷先生よりお話がありました。
まさか自分がコロナワクチン接種に関わることがあるとは思っておらず、出張ワクチンも実際にどのように形になっていくのか想像がつかない、というのが正直な気持ちでした。
ですが、クリニックを一から作り上げてきた先輩方はそんな不安も関係なく、パワフルに新しい形を作り上げていきました。
実際に会場となる施設に視察に赴き、その後、クリニックに戻ってから打ち合わせを何度も行っている先輩方を間近で見ていました。
この先輩方の熱量に引っ張られるようにスタッフが集まって、クリニックができあがっていったのだと強く感じました。
出張接種の帰りの車中で先輩方と「次回はこんなふうに変えていったらもっとよくなるね!」と話をしながら帰ることが何度もありました。この会話によって実際に改善に向かうことが特徴のひとつでもあると感じています。
一つの会場で1回目よりも2回目、2回目よりも3回目と改善点を見つけて良い方向へと流れを作っていくことができる。しかも、その流れを企業さまを巻き込んで軽やかに進んでいけるのはエールならではと思います。
とある企業の担当者さまから接種初日の最後に聞いた言葉が今でも心に残っています。
「この日を迎えるまで、本当にうまくいくのだろうかと眠れなかった。本当にこのような形で終われてよかった。」この言葉を聞いてスタッフ・企業の担当者さま、全員で笑顔になって帰ったことが今でも忘れられません。
このような貴重な経験をさせていただいたことを忘れず、スタッフのひとりである自覚を持って、これからも少しずつ成長していきたいと思います。
#02 企業の底力
小児科医師 鈴木竜太郎
今回のコロナワクチンプロジェクトでは院外に出張して接種を行いました。長岡市内を始め、遠くは上越や村上、中には群馬県からの依頼もありました。
私も色々な企業にお邪魔しましたが、遠方で大変と感じたことは一度もありません。
多くの医師はそうだと思いますが、「院外に出て仕事をする」ということはとても新鮮です。ましてや、外出先が医療機関ではなく一般企業というのはとても新鮮で、毎回ワクワクしていたことを覚えています。
今回の経験を通じて感じたことは「企業の底力」です。
たかだかワクチン接種と感じるかもしれませんが、医療機関ではない場所で医療を提供する際には体制を0から創る必要があります。
接種後のトラブルが起きれば、不慣れな場所で救急対応をする必要があります。
しかし、すべての会場で滞りなくワクチン接種は終了し、快適に仕事をすることができました。
これは休日返上で当日の運用を考えてくださった各企業の担当者の方々をはじめ、ルールを守り、より良い会場づくりを手伝ってくださった企業の皆さまあってのことだと思います。
統率力と実行力に企業の底力を感じました。
我々も医療機関として、一企業として、院外の皆さまともシナジー効果を発揮し、良いお仕事ができるように努めていきたいと思います。
#03 みんな初めての職域接種
運営スタッフ 安達仁
職域接種が解禁になってから、連日メールのお問い合わせやお電話を頻繁にいただきました。
小規模な企業さまからグローバルに展開している規模の大きな企業さままで様々でした。
企業さまからの連絡がない日はなく、まさに携帯を手放せない状態、携帯電話を手に持っていないと不安でしょうがない状態で、今思えば忙しくも充実した毎日でした。
予約を受けるこちらは28名体制、職域接種件数は約40,000件(全体は70,000件超)でした。
日程がたびたび変更になるケースや頻繁に人数が増減するケース、予定どおりに進まないこともたくさんありました。
企業さまにも無理を聞いてもらい、なんとか大きなトラブルなく予約をお受けすることができました。
実際に職域接種が開始すると受付にたくさんの方が来ます。
接種する側と接種される側が、未知の領域の中で未知なるモノに対して一体になって取り組むことができたと感じています。
各企業担当者の皆さまも調整にご協力いただき、本当にありがとうございました。
今後の追加接種でも、皆さまのお力になりたいと思っております。
どうぞよろしくお願いします。
#04 一期一会
運営スタッフ 樺澤正直
新型コロナワクチンの接種には、「予診票」を記入いただき、接種券(クーポン券)・身分証とともに会場にお持ちいただく必要があります。
予診票には、住所、氏名、電話番号、生年月日(満年齢)、性別、体温の基本情報に加えて、ワクチンの接種状況、病歴や服薬状況など、医師が当日の接種可否を判断するための重要な情報を記入いただきます。
当クリニックでは、医師が問診を行う際に正確な情報が得られるよう、受付での予診票の内容確認(一次チェック)を徹底して行っています。
接種券や身分証と照合し、記入もれ・記入相違はないか、生年月日(満年齢)は接種対象か、性別は接種対象か(交互接種の場合)、体温は接種可能範囲か、等のチェックに続き、ワクチン毎に異なる接種間隔(前回接種日)の確認、病歴や服薬状況、けいれんやアレルギー履歴等の全項目について、接種される方の伝えたい情報が医師に正確に伝わるよう確認しています。また、担当者ごとに使用する筆記具を分けることで、誰が受付確認を行ったのか責任を明確にして取り組んでいます。
受付担当者は常に「その時限り」「一期一会」の精神で、接種に来られる皆さまと向きあっています。
#05 コロナワクチン接種に関するアンケート調査
皮膚科医師 藤本篤
今回のプロジェクトでは接種と並行してアンケートによる調査を行っています。
アンケートは、接種を受けられた方(およびそのご家族)を対象に、1) 予約時、2) 接種後 の2回のタイミングでご協力いただいています。
1) 予約時調査は、年代別の予約行動を明らかにすることを目的に予約フォームに質問項目を設けて行いました。
この調査からは、年齢階層別に望ましい予約方法を準備する、など今後に向けたヒントが得られるかもしれません。
2) 接種後調査は、65歳以上については紙媒体、64歳以下はWebアンケートフォームを用いて行いました。
この調査では、かかりつけ該当の有無、接種動機や副反応、接種全般に対する満足度など、より詳細な内容を盛り込みました。
接種日程がほぼ終了した2021年11月24日時点の接種回数と回答数は下記の通りです。
◯65歳以上
接種回数8,935回 予約時調査回答数6,990 接種後調査回答数3,327
◯12〜64歳
接種回数21,036回 予約時調査回答数20,228 接種後調査回答数755
現在、データ解析の切り口について検討しています。今後のために役立つ知見が得られれば何らかの形で報告させていただきたいと考えています。
#06 アストラゼネカワクチン(AZワクチン)
内科医師 伊藤朋之
当クリニックは新潟県から県内唯一のAZワクチン接種センターに指定されました。
AZワクチンは、ファイザー製やモデルナ製のワクチンと異なるウイルスベクターワクチンであるため、取り扱い方法なども異なります。
そのため、AZワクチンの接種を行うのに先立って、医師をはじめとした全スタッフを対象とした勉強会を行いました。
接種対象者は40歳以上の希望者、18歳以上でmRNAワクチンを打てない方、海外でAZワクチンを1回接種された方のいずれかです。
冒頭でも書きましたが、AZワクチンはmRNAワクチンとは異なるため、実際の取り扱いに際しては注意すべき点が多く、田村先生が中心となり看護師と運用マニュアルを作り上げました。
当クリニックでの接種は9月3日から開始され、11月末現在で総接種回数は計52回です。
県内唯一の接種センターということもあり、被接種者は、新潟県内のさまざまな地域から来られています。
予診時には被接種者の皆さまから、基礎疾患や副反応に関するさまざまなご質問があり、可能な限りていねいな説明を心がけました。
日本語でのコミュニケーションが困難な方への対応時には、付き添いの通訳の方に大変お世話になりました。
日頃からコロナワクチンの接種を数多く行っていますが、AZワクチンの接種時にはいつも以上に緊張しました。しかし、スタッフ一同協力して接種に臨んだ結果、スムーズに接種を行うことができました。
今後もAZワクチンの接種を希望される皆さまのご期待に添えるように研鑽を積んでいきたいと思います。
#07 コロナワクチン接種を経験して
看護師 高橋春那
クリニックでは6月からファイザー社製のコロナワクチン接種を開始しました。
医療従事者を皮切りに、65歳以上の高齢者、65歳未満の方へと進めてきました。
インターネットからの予約を基本としましたが、それが難しい方々のためにコールセンターを設置し、全スタッフが交代で専用電話での予約を受け付けることにしました。
電話対応だけでなく、予約枠を多く設定したことが良かったのか、周りからはとても助かったと声をかけていただき、嬉しい気持ちになりました。
土日はワクチンのみの運営でしたが、平日は一般診療を行いながらワクチン接種を行っていたため、待機場所や接種までの導線、ワクチンの取り扱いなど様々な事に気をつけながら行わなければならず、日々振り返っては改善していくの繰り返しでした。
大変なことも多かったですが、クリニックの全スタッフで協力して行ってきたからこそ、ここまでやって来られたのだと思います。
まだ以前のような生活に戻ることはできていませんが、コロナを気にせず安心して過ごせる日が早く来ることを願いながら、医療者としてできることを今後も行ってまいります。
#08 オールエールプラン
医療事務 小坂絵美
医療従事者である私たちの2回目ワクチン接種が終わる5月中旬、「一日でも早く、一人でも多くの対象者へ接種を」を掲げ、このプロジェクトが立ち上がりました。
医療者、高齢者、院内職域接種、出張職域接種へと、効率よく運用を展開することができた最大のポイントは、当クリニックのプランニング力にあります。
毎日一般診療が行われているクリニック内でのワクチン接種の導線確保や、院内職域接種が始まる際は、モデルナとファイザーの受付場所を変え、視覚的に変化をつけることで間違い防止策の徹底を行いました。出張職域接種では、県内外の出張先に看護師、事務が事前視察へ出向き、入り口から出口までの確認、接種導線を考え、企業さまにもスムーズな接種にご協力いただきました。決められたスタッフ人数でそれぞれの役割を明確にし、いつでも誰がやってもできることがとても大事です。すべて手作りプランの為、ご不便もあったかもしれませんが、3回目追加接種へ向けてより良い運用を提供できるよう、全スタッフで取り組んでまいります。
#09 請求について
医療事務 古澤さつき
当クリニックではコロナワクチン接種の公費請求事務が7月から始まりました。
医療機関では、ワクチンの接種実績や在庫量を国に報告するため、クラウド上で管理しているワクチン接種円滑化システム(V-SYS)を活用するよう通達を受け、ワクチン接種に関する請求書もこのシステムで作成し、指定された市町村などに提出を行う必要があります。
請求書を作成するにあたり大切なのが、予診票の内容の確認です。
接種を開始したばかりの頃は、まだ予診票の確認に慣れていないこともあり、接種対象者が記載する氏名や生年月日、年齢、住所や電話番号などの記載漏れや不備が目立ちました。また、生年月日を西暦で記載する必要があることに難儀される方が多かったようです。
コロナワクチンの予診票は1回目、2回目の接種日を記載することが必要ですが、こちらも記載の不備が多い点で、接種間隔を確認するうえで重要なポイントなため、日めくりカレンダーなどを利用して細心の注意を図っています。
自治体などの公費請求先から請求書不備の問い合わせがあるたびに、予診票の確認ポイントを見直し、医師、看護師、その他コメディカルで改善策を検討し対応にあたっています。
当クリニックの素晴らしいところは、どんな事例に対しても全職種で検討し、対応することができるところだと思います。
#10 エールのチーム力を活かしたプランニング
看護師 村山利恵
個別接種(ファイザー製)、職域接種(モデルナ製)、企業への出張接種など、様々な状況下でワクチン接種を行ううえで、私は看護師を代表して主に会場レイアウトや運営のプランニングに関わってきました。
医療事務、運営スタッフの代表者とともに、接種場所の状況に見合った運用方法の検討を重ねました。
具体的には、クリニックでの接種時、一般診療をしながらも400人のワクチン接種をいかに混雑なくスムーズに行うか、同日のファイザーとモデルナの接種者の導線をいかに分け、安全な運用ができるかなどを検討しました。
企業への出張接種では、事前にすべての企業に現地視察に行き、予診票確認や接種、待機などのブースをどこに配置するか検討し、必要物品などについて企業さまの担当者と打ち合わせを行いました。
運用方法がある程度決まると、図面上に各ブースの配置や導線のレイアウト案を作成し、それぞれの担当内容を明記して、全スタッフに伝達共有しました。
当初は、今まで経験したことがないことばかりで不安もありましたが、スタッフで検討を重ねてプランニングすることで、スムーズに実践につなげることができました。
新しいプロジェクトを始めるときには漠然とした不安や心配もあると思いますが、プランニングをしっかりすることで、具体的にイメージ化でき、実践しやすくなります。
プランニングするうえでは、それぞれの立場で様々なことを想定して検討を重ねることが重要だと感じました。
立場や職種を超えて、お互いに意見を言い合えて協力し合える、このメンバーだからこそ様々なことを乗り越えてやって来れたのだと思います。
今後もこのチーム力、運用力を活かしながら新しいことにも積極的に取り組んでいきたいと思います。
#11 院内職域接種から得た気づき
医療事務 神林美有
既にコロナワクチン接種を受けた方々は、「集団接種」、「個別接種」又は「職域接種」で接種されたと思います。
今回は「職域接種」について、その中でも当クリニックを会場として行ったものについて書きます。
職域接種は「①企業内診療所での接種」「②外部機関が出張しての接種」「③外部機関に出向いての接種」の3つのパターンがあり、当クリニックでは②と③を行いました。
当クリニックを接種会場として、県内の企業さまと連携を図り、飲食業界や旅館ホテル業界など「企業」のみならず「業界」という大きな枠組みを対象として、接種する機会をたくさんいただきました。
職域接種の大まかな流れは、「企業、団体さまより依頼→スケジューリング→接種→クーポン券回収→請求」となります。
職域接種に参加する企業や団体のメリットは、計画的にスピード感を持って社員などの接種が進むこと、医療資源の調達が不要なことが挙げられます。
特に医療資源の調達は、接種会場や医療従事者の確保、ワクチン保管等の負担を考えると、なかなか独自に職域接種へ踏み切りにくいと感じます。
その点、当クリニックの職域接種に参加いただくことで、これらの負担は解消できたのではないでしょうか。
また、当クリニックとしましても、団体で予約や人数・日程の管理、接種後の回収物をとりまとめていただけたことなど、接種から請求までの運用に集中することができ、スピード感を保ったスムーズな運用を実現することができました。
この貴重な経験から、今後の診療やワクチン接種などにおいて、業種や枠組みにとらわれず、得意分野を発揮しあえる環境づくりがスムーズでより質の高い運用を実現するために重要であること、互いに連携しあっていくことの大切さを改めて学ぶと共に、実際に実現していけるように、日々、力を合わせていきたいと改めて思いました。
#12 ディープフリーザーとともに
内科医師 田村真麻
ファイザー製ワクチンについて、特筆すべきは当院のワクチンプロジェクトを長岡市に説明し、ディープフリーザーを院内に設置いただいたことです。
“RNAは不安定だから取り扱いに細心の注意を”と教えられた大学院生時代以来のディープフリーザーに、厳重に輸送されてきたファイザー製ワクチンを初めて収めるのに立ち会った際、改めてmRNAワクチンの実用化に驚くとともに、ついにワクチンプロジェクトが始まるのだと身の引き締まる思いでした。
それがもうだいぶ昔の出来事のように感じます。
6月1日から約半年の間、順次、医療従事者・高齢者への接種、一般接種を行い、11月末時点で、計30,539回のファイザー製ワクチンをクリニックで接種しました。
接種を多く進めるうちに、アレルギー既往があるために接種するか迷う方々の相談の受診や接種例が増えました。
ワクチン接種機関として市民の皆さまから一定の信頼が得られたことを感じ、嬉しく思います。
幸いにも、接種後の待ち時間中に救急搬送が必要な副反応が出た方はいらっしゃいませんでした。
今後も皆さまに安心して接種を受けていただけるよう努めてまいります。
#13 エールワクチンプロジェクト〜YU-DOマスターへの道
臨床検査技師 金子玲子
5月某日、1日500〜600人のワクチン接種を行う壮大かつ前代未聞のプロジェクトがスタートし、私のミッションは誘導(以下YU-DO)に決定、その日からマスターになるべく日々研鑽を積むこととなりました。
まず、土・日の接種は受付をクリニックではなく敷地内の薬局で行います。駐車場からクリニックを目指してまっすぐお出でになる皆さんを、いち早く受付の建物へYU-DOするため、精一杯腕を伸ばして左右に振り、『受付はこちらの建物です』とマスク越しに声を張ります。
車椅子を使う方もいらっしゃるため、対象と思われる方を見かけたら車椅子の有無を尋ね、使用しますと言われた時は素早く待機させておいた車椅子を持ってお出迎えをします。
次に受付の済んだ方は接種会場のクリニックへYU-DOします。
階段が数段あり、足の不自由な方や杖をお持ちの方は個々に注意を促し、怪我のないようにYU-DOを行います。
時に自動ドアの反応が悪いこともあり、素早く駆け寄り手をかざします。
常に360度気を配り、YU-DOマスターの道を目指す日々が続きました。
日差しの強い日は、熱中症に気をつけてとの声を掛けられながら、影鬼のように建物の影に入り注意していましたが、くっきり半袖焼けが残ることになってしまいました。
更にファイザーにモデルナが加わり、YU-DOのバージョンがランクアップしましたが、駐車場からのYU-DOの座を看板に譲ることになり、クリニック内のYU-DOに専念する日々です。クリニック内では家族を一緒にご案内するようにしていますので、家族単位の見極めが必要です。
YU-DOは奥が深くマスターへの道はまだまだ続いていきそうです(続く?)
#14 ワクチン接種に関わって
看護師 飯田友佳
私は11月に入職し、それを期にワクチン接種に関わらせていただいています。
前職ではコロナワクチンに関わることはほとんどなかったため、各製造メーカーによって保管温度や保管条件が違うことを初めて学びました。
また、薬瓶から注射器に移す際に場所を分けたり、充填した注射器を置くトレーを分けたりすることで混在を防ぐ工夫がされており、かつ、ワクチン関係の書類が分かりやすく整理されていることで、必要な時にすぐにマニュアルが見られるようになっている点はとても助かりました。
また、大規模接種などを経験させていただく中で、看護部内での先輩方の今までの経験や工夫、それぞれの部署との連携によってスムーズに接種を進めることができていることがよく分かりました。
今後も3回目の接種や接種年齢層の拡大などによりワクチン接種の機会があると思いますが、チームの一員として尽力していきたいと思います。
#15 エール職域パッケージ
運営スタッフ 酒井俊明
「ワクチンは本当に来るんですか!?」
職域接種をご依頼いただいた企業の労務担当者さまから何度もかけられた言葉です。
私たちの“エール職域接種”は、企業ご担当者さまの負担を減らすため、国への申請から会場の下見、レイアウト作成、会場サイン設置、ワクチン接種運営、VRS取り込み、費用請求までの一連の作業をまるごと受託しました。
また、接種当日は、医師、看護師のみならず、予診票確認を担う事務スタッフや運営を総括する運営スタッフに加えて薬剤充填を行う薬剤師までをチームとして派遣し、申請等を含むこれらすべてをひとつのパッケージとして取り組みました。
すべては安全でスピーディーな職域接種を行うために緻密な計画をたてたものですが、当時ひとつだけ不確定要素があり、それは相当私の頭を悩ませ、胃袋を痛めつけました。
国への申請と同時にワクチンの初回オーダーを行うシステムが採用されたのですが、「いつ」「何人分」のワクチンが入荷されるかは届いてみないと分からない。というのです。
接種希望者を募りスケジュールを組んでいる企業担当者さまが、ワクチンが来ないことに焦るのは当然です。
「大丈夫ですよ。接種には間に合うと思います。」と電話口で答えながら、ワクチン流通を担う職域コンシェルジュとやっと繋がった電話でも、確実な回答がなかなか得られないことに戸惑いながら、祈る毎日でした。
”職域接種当日の会場に、当たり前にワクチンがあること。”
実は、私の中ではこれがすべてでした。
追加接種では国の仕組みも変わり、ワクチン流通が以前に比べ安定するようです。
私たちもこれまでの経験を活かして、社会の最前線で働く皆さまに更に喜んでいただけるよう、安心かつスピーディーな接種を継続していきます。
いつでもお気軽にご相談ください。
#16 コロナワクチン接種の受付を行って
臨床検査技師 倉澤聖子
クリニックでコロナワクチン接種を実施するために、「検査技師にできることはなんだろう」と思っていました。
その中で、接種する方が一番最初に通る受付業務を任命されました。
受付では予約リストのチェック、ご本人確認、予診票のチェックを行いました。
最初は、本人確認や予診票のチェックに時間を要し、受付に並ぶ列ができることもありましたが、回数を重ねるにつれて、自分の中でルーティンのような流れがうまれ、チェックの一つ一つがスムーズに進むようになり、気持ちに余裕ができるようになると、列ができても焦ることなく、冷静確実に行うことができるようになりました。
さらにVRSの読み込みもさせてもらいました。
この作業も最初は時間がかかりましたが、試行錯誤の結果、読み込みを行う前にしっかり予診票の再チェックを行うことで、読み込み時の確認が最小限で済み、効率よく作業できるようになりました。
そして最終的には接種人数から読み込みにかかる時間がどれくらい必要かまで把握できるようにもなりました。
検査の仕事とは違う、このクリニックだからこそ経験するとこができた業務だと思います。
#17 安心して接種してもらえる会場づくり
看護師 高橋陽佑
企業さまの施設で新型コロナワクチンの接種をさせていただき、私は会場内で具合が悪くなった方への対応を主な役割として携わりました。
ワクチンへの期待とともに、副反応などへの不安を持たれている方も多く、医療施設を離れた会場で安心して接種してもらいたいと考えました。
強い不安や迷走神経反射などで気分が悪くなる方がいないか目を配り、実際に具合が悪くなった方には、不安を和らげるよう特に意識して接しました。
軽症から重症の副反応に対応できるように事前に資機材や薬剤を考え、準備し、会場の雰囲気づくりとして用意したプレイリストで様々なBGMを流し、接種後の過ごし方についてわかりやすいポスターも作成して設置しました。
そして会場の雰囲気も回を重ねるごとに少しずつ良いものとなっていきました。
接種を受ける方から安心してもらえるようホスピタリティーをもって設営することは、普段の看護的な視点を活かすことができたと実感しています。
#18 コロナワクチンの予約問い合わせについて
医療事務 鎌田亜子
65歳以上の方のコロナワクチン予約は、当院では5月17日から始めました。
web予約、電話予約、受付での対面予約を主に予約受付がスタートしましたが、初めてのワクチンで関心が高く、予約初日から接種を希望される方が殺到しました。
特に対面予約は、クリニックの受付に長蛇の列ができてしまい、診療患者さんへの対応に影響が出てしまう事態になりました。
対面予約はすぐに取りやめ、電話予約も混み合い、つながると「やっとつながった」と安堵される方が多かったです。
インターネットホームページを通じたweb予約では、ご自分で予約が取れないという方もいらっしゃいましたが、遠方の家族が代理で予約を取ってくださったり、町内の代表の方がみなさんの分をまとめて予約を取ってくださったりする事例もあり、家族や地域の団結・結束の力を感じました。
その後、8月7日から12歳以上の方のコロナワクチン予約も始まりました。
予約開始直後は予定枠がすぐに埋まり、「キャンセル待ちの枠はありますか?」という問い合わせが多く寄せられました。
特に12歳から15歳の方は新しいワクチンということもあり、副反応を心配され、周りの様子をうかがってからという方も多かったように思いますが、最近では12歳の誕生日を迎えてすぐに接種予約を取られる方も多くなってきたように感じます。
初めてのワクチン接種、そして大規模な予約枠を設定し、接種を希望する皆さまがスムーズに予約を取れるよう、問い合わせの情報共有を行い、スタッフ全員で一致団結した予約システムになったと思います。
#19 院内職域接種
看護師 吉原有佳理
職域接種として、クリニック内でモデルナ社製コロナワクチンの接種を行いました。
待機時間をなるべく短く、スムーズに案内できるよう、1日のスケジュールを把握し、他のスタッフと協力しながら接種場所の確保や導線の検討を行いました。
平日は診療や検査などと並行して接種が行われることも多かったのですが、事前に接種人数や時間帯を把握することで、スタッフの人員配置などを的確に行い、接種以外の看護業務も円滑に進めることができました。
接種と診療が並行して行われる場合には、待合の混雑解消など課題をみつけながらその都度解決策をスタッフ間で相談し、声を掛け合いながら対応していきました。
またどのような声かけや案内があると混乱なく接種を受けていただけるか、出張や個別接種での経験を活かし、回数を重ねるごとにより良い方法へと繋げられたと思います。
限られた空間の中でその場の状況に合わせ対応を柔軟に変えていくことの重要性に気付けたことや、様々な業種の方々と関わらせていただけたことはとても貴重な経験となりました。
#20 VRS請求について
医療事務 郷鮎美
6月から始まった新型コロナワクチン接種ですが、当初は「VRSって?」と聞き慣れない単語だったと思い返しました。
VRSとは国が導入したワクチン接種記録システムであり、ワクチンの接種後、専用のタブレット端末で接種券に記載された18桁の数字を読み取り、接種をした日付、接種場所、ロット番号を国にすばやく報告する端末のことです。
VRS作業を始めた当初は、端末がフリーズしてしまったり、クーポンを読み取る際、ピントが合わず上手く読み取る事が出来なかったり、そしてただ読み取るのはではなく、予診票とクーポンの名前が一致しているか、ロット番号、医師の名前、日付、1日の最後は接種人数と読み取り件数の照合、と点検箇所も多く、VRSを読み取る度に神経を使い、時間もかかっていました。
日を追うごとに1人1人の効率が上がり、今ではみんなが「VRS読み取りのプロ‼︎」と言えるくらい読み取りが早くなってきました。
多くの方が1、2回目の接種を終え、現在はワクチンの接種数が落ち着いていますが、3回目が始める頃には初心を忘れず、緊張感も持ちつつ取り組みたいと思います。
#21 適切なワクチン接種のために
看護師 五十嵐智穂
当院では3種類のコロナワクチン接種に取り組みました。
実は、同じコロナウイルスに対するワクチンでも、ファイザー製、モデルナ製、アストラゼネガ製ではミキシング方法(薬剤を注射器に詰める作業)は違います。
まずは「ミキシング方法の勉強」、そして実際の場面では「ダブルチェックの徹底や作業に集中できる環境作り」など、的確な対応を行いました。
また、ミキシング後のワクチンは使用時間も限られているため、前日から予約状況を確認し、必要な薬の数や、作るタイミングなど、様々なことに配慮して準備を行いました。
このように様々な配慮が必要なワクチンですが、多くのワクチン接種が適切に行えたのは、クリニックのスタッフだけでなく、院内接種や出張接種にも同行しミキシングにご協力いただいた共栄堂の薬剤師の皆さんのお力がとても大きかったです。
当院では一人でも多くの地域の皆さまにコロナワクチンを適切に接種いただけるよう、見えないところでも多くのスタッフが協力し、活躍しています。
#22 院内職域接種
皮膚科医師 苅谷直之
当クリニックでは、新型コロナウイルスワクチン接種をさまざまな形で行いました。
具体的には、ファイザー製ワクチンを使用する個別接種、モデルナ製ワクチンを用いる職域接種(出張、院内)、アストラゼネカ製ワクチンの接種です。
全国でもこれだけ幅広いワクチン接種を行った施設は他にはありません。
当クリニックの院内職域接種は、接種形態を試行錯誤し、柔軟に変更しながら行いました。
当初は診察室で行っていましたが、その後院内にワクチン接種用のブースを設置しました。
ファイザー製のワクチンを使用する個別接種と動線を分ける必要があり、臨機応変に接種場所を診察室にしたり、接種ブースにしたりと変更しながら、日々接種を行っていました。
接種にかかる時間は極めて短時間で、受付から接種完了まで一人あたり2~3分程度でした。
ピーク時には医師一人で、1時間あたり80人ほどの方に接種を行うこともありました。
接種が極めてスムーズに進むだけでなく、接種後の重篤な副反応も見られなかったのは重要な点と考えています。
このような運営ができましたのは、看護師や運営部を始めとしたスタッフ全員の努力の成果であるとともに、スタッフ間の強い協力体制が築かれていたためであることは疑いようがありません。
私たちが職域接種を行ったことで、いろいろな企業のみなさまが、コロナ以前の元気を取り戻すお手伝いが少しでもできていれば幸いと感じています。
今後もこのワクチン接種の経験を活かしながら、クリニックとしてさまざまなことにチャレンジしていきたいと思います。
#23 受付業務
医療事務 佐々木璃音
主に受付では、予約確認、本人確認、予診票確認を行います。
当日の予約者リスト、身分証明書、予診票を照らし合わせて、本人確認を行い、予診票の記載内容をチェックします。
その中でも、予診票の内容確認は一番大切な作業です。
接種券と予診票の住所・氏名が一致しているか、接種対象年齢や接種間隔に間違いがないか、質問事項にすべて回答しているか、署名欄に記載があるかなどなど、たくさんの項目を確認します。
ミスや記載漏れを防ぐために、チェックシートを活用したり、特に記入事項に注意が必要な12から15歳の方は複数スタッフでチェックを行うなど、細心の注意を心がけていました。
今後の追加接種では、高齢の方や未成年の方に対して、より安心して接種していただけるよう工夫をしていきたいと思います。
入職数ヶ月で、とても貴重な経験を得て、日々沢山の刺激を受けています。
まだまだ至らないところばかりですが、まわりのスタッフの皆さんのパワーに負けないよう元気に頑張っていきたいと思います!
#24 三社同時接種を行って
看護師 長谷川久美子
当クリニックでは、2021年6月からファイザー社製のワクチン接種が始まり、その後職域接種のモデルナ社製のワクチン接種も開始されました。
順調に接種が進んでいく中、2021年8月30日に県内唯一のアストラゼネカ社製ワクチン接種センターとして指定され、9月11日より同社ワクチンの接種が開始されました。
三社のワクチンは保管の温度や調剤方法が異なっているため、取り扱い説明書や動画で何度も確認し、調剤の際には必ずダブルチェックを行い間違いなく接種できるよう準備を進めてきました。
また、接種に来られた方が当日間違いなく正しいワクチンを接種できるよう、会場ではワクチンごとに案内標示を設置し接種ブースや時間帯を分けるなどの工夫をしました。
三社のワクチンを確実に取り扱うことは緊張も多かったですが、「予約がとれて良かった」「ありがとう」とたくさんの声をいただくことができ、このプロジェクトに医療スタッフの一員として参加できたことを幸せに思います。
#25 コロナウイルスワクチンの受付を経験して
医療事務 青木玲緒
私がコロナウイルスワクチンの受付をして感じたことを、高齢者接種、一般接種、交互接種に分けて書きます。
まず、高齢者接種はクリニックにおけるワクチン接種の実質的なスタートということもあり、接種される方に対して予診票の内容を何度も確認しながら進めていったことを覚えています。
耳の遠い方や、字を書くことが難しいという方などに対しても柔軟に対応をしました。
高齢者の方は1回目接種時に次回の予約確認をされる方も多かったように感じます。
次に一般接種です。未成年の方も多く接種にお見えになりましたが、高齢者接種でのノウハウを活かし、受付時に口頭で生年月日を確認するなど、より正確に受付業務ができるような工夫を重ねました。
モデルナ社製とファイザー社製ワクチンの交互接種では、さらに確認事項や配布物にも気を使いました。
最後に反省点として予診票の記入に不足があり、確認を見落としたケースがありましたので、3回目接種の際は今回の反省点を活かし、ミスのないように取り組みたいと思います。
#26 アストラゼネカ社ワクチン接種
看護師 星諒子
9/11と11/6にアストラゼネカ社ワクチンの接種が行われ、私は問診と接種を行うブースに携わりました。
アストラゼネカ社のワクチンを接種に来られる方々は、様々な事情があってこのワクチンを希望される方です。
さらにアストラゼネカ社ワクチン特有の副反応が知られているためか、ほかのワクチンに比べると不安が多いことが予想されました。
実際に、医師の問診時に質問や相談をされている方が多かった印象があります。
できる限り不安を解消できるよう医師が回答しました。
私からは、接種後の注意点を口頭でお伝えし、受付では副反応への対応方法が記されたパンフレットをお渡ししました。
接種された方が、安心してお過ごしいただけていることを願っています。
接種会場になるにあたり、クリニックでは様々な工夫をしました。
受付はダブルチェック、問診時にも接種者の情報を確認しました。
また、案内のためのスタッフを追加で配置し、問診と接種時は医師2名と看護師が対応しました。
ワクチンの特性上、接種された方は待機場所を指定して過ごしていただきました。広い待合室を効果的に使用できたと思います。
私の話になりますが、ほかのワクチンと比べ、薬剤の特性上注意事項が多かったため、非常に緊張していました。
接種に来られた方々の中には、私の緊張が伝わった方もいらっしゃったかもしれません。
接種に来られた方々に、本人確認にご協力いただき、接種後の説明にも耳を傾けていただき、ご協力いただいたおかげで、スムーズで確実な接種を行うことができています。
ありがとうございました。
#27 分かりやすく確実な予約管理のために
運営スタッフ 遠藤純子
2020年6月からはじまる65歳以上の高齢者を対象としたワクチン接種に向け、5/17から予約専用電話での受付を開始しました。
携帯電話3台を用意してコロナワクチンコールセンターを開設し、看護師、検査技師、医療事務、運営部スタッフ全員が持ち回りで応対しました。
予約システム、対応マニュアルなど全てが手作り手探りでのスタートであり、回線が混み合い電話がつながりにくいなどのご不便をおかけすることも多々あり、確実かつ効率的に予約をお受けできるよう、システムや体制の改善を重ねてきました。
予約が完了すると「ああよかった、これで安心しました」との声も多く聞かれ、未曾有の事態に不安な毎日を過ごされ、やっとワクチンにたどり着いた…電話越しにも予約者の方のお気持ちを察することができました。
その後は一般の方へ、インターネットホームページからの予約を開始し、65歳以上から通算して3万件近くの予約をいただきました。
現在も、12〜20歳男性の方への交互接種の予約(約80件)、1度目を他所で接種された方の2度目の接種予約、アストラゼネカ社製ワクチンの接種予約など、柔軟に対応させていただいています。
予約管理と対応を続けていく中、私たちの心にあったのは
「1日も早く、かつての日常を取り戻していただくお手伝いがしたい」
「ご予約を確実にお受けし、安心を届けたい」
「接種の機会が得られなかった方を見過ごすことなくお受けしたい」
という想いでした。
今なお、これまで一度も接種の機会を得られなかった方や、これから12歳の誕生日を迎えられる方からの問い合わせも数多くいただいています。そして、3回目接種の道筋も出てきました。
今後も皆さまに安心してワクチン接種を受けていただけるよう、分かりやすく確実な予約管理を行ってまいります。