次なる一歩への布石
半年ぶりの更新に寄せて
いつも、ありがとうございます。
2020年10月に内科医2名で診療を開始した「エールホームクリニック」。2023年10月6日には、長岡駅前の米百俵プレイス北館1階に「エールホームクリニック長岡」がオープンしました。おかげさまで、長岡から新しい医療のカタチを全国に届けたいという、私たちの思いは着実に前進しているのを感じています。
事業や組織が拡大すると、やることが増えて手が足りなくなるものですよね。現場スタッフの業務もそうですが、法人の経営者でもある理事長の私も、御多分に漏れず、さまざまな仕事に忙殺される毎日を送っていました。特に、医師の場合、診療とクリニックの運営という、いわば二足の草鞋状態ゆえ、忙しさも二乗になるのを、身をもって体感した半年でした。忙しさにかまけて、noteの更新も滞っていましたが、心機一転、体制を立て直し、新しい医療のカタチについての私見を、積極的に発信していこうと決意を固めました。伝えたいことは、既に山ほどあって、どんどん新たに湧き上がっています。
手応えを感じた1年、その裏で…
人口減少の影響もあって、保険診療だけではクリニックの運営が難しくなると予測されている中、私たちは医療と経営の分離と融合を謡っています。医療従事者である医師は医療に専念し、クリニックの経営は、その道のスペシャリストに任せる。そうすることで、クリニックの経営は安定し、地域医療を守ることにつながります。
「突破せよ」をスローガンにした2023年は、攻めの1年でした。1月16日、日経新聞に「医療と経営の分離と融合」というタイトルで記事広告を出稿しました。おかげさまで大きな反響をいただき、エールホームクリニックの理念が間違っていないのを再認識しました。10月に「エールホームクリニック長岡」が始動し、輪が広がる手応えを感じた1年でした。
そんなこんなで、風に乗って順調に進んできた私たちの船ですが、患者様と医療スタッフが増えたことによる問題も発生しました。「運営部」のスタッフ不足です。
2024年のスローガン「組織化せよ」
「運営部」は、医療と経営の分離を謡うエールホームクリニックの特徴ともいえる部署。企業でいえばバックオフィスにあたります。2023年の下半期を迎える頃には、スタッフ約65人のうち、運営部のメンバーは9人でした。私が考える医療と経営の最適なバランスからすると、これでは運営部の力が弱い。そこで、採用活動を強化し、その結果、2024年4月現在、スタッフ71名に対し運営部メンバー13名まで組織を拡大することができました。
2024年は「組織化せよ」をクリニックのスローガンに設定しました。運営部のメンバーが増えたことによるハレーションが予測されたからです。医療と経営の分離と融合。最も大切なのは「融合」の部分であって、医療と経営が両輪となって駆動力を発揮することで、クリニックは円滑に運営されると私は考えます。
組織化の第一歩「MBVバリュー宣言」
コロナ禍も終わり、メディカルビットバレーも次のステージへ向かう時期となりました。地域医療に貢献したいとの想いから近年はコロナ対応などに力を注いできましたが、いま一度創業の原点に立ち返りMBVらしいフラットでオープンな組織風土を再構築するよい機会であると考えています。
新しい医療のカタチへシフトするため、2024年のスローガンに「組織化せよ」を掲げ、5月にはクリニック内部向けに「MBVバリュー宣言」を発信しました。院内でそれぞれのポジションの人たちが、互いに尊重しあって、対等な関係で医療の本分を全うするべく、チーム体制を維持・強化する。そのための“意識付け”です。小学校の教室に貼ってあるような内容の「MBVバリュー宣言」ですが、エールホームクリニックがさらに前進するには、全スタッフが肝に銘じなければならない内容だと感じています。
私たちを取り巻く社会環境は想像を超えるスピードで変化しています。心を開いて互いを尊重し、全員のベクトルを合わせることで、MBVらしいチームワークで新しい船出を成功に導き、次のステージへ進むことができると信じています。
澁谷 裕之(しぶや ひろゆき)
医療法人メディカルビットバレー 理事長
新潟県長岡市生まれ。
弘前大学医学部卒業。
2020年4月に医療法人メディカルビットバレーを設立。
家庭医療専門医、プライマリケア認定医。
好きな言葉は「即断即決即実行」、「適材適所」。