経鼻インフルエンザワクチン(フルミスト®)について
経鼻インフルエンザワクチンは2003年にアメリカ食品医薬品衛生局(FDA)に認可されたワクチンで、既にアメリカやヨーロッパなどで使用されていましたが、2024年から日本でも認可され使用できるようになりました。経鼻インフルエンザワクチンは鼻腔にスプレーを吹きかけるようにして接種するワクチンです。従来のワクチンと異なり針を使わないため、強い痛みはありません。また、1回の接種で免疫を獲得できるため、受診回数を少なくできるメリットがあります。有効性は不活化ワクチンの2回接種と比較して概ね同等とされています¹⁾。
1) 経鼻弱毒性インフルエンザワクチン 臨床に関する概括評価(pmda.go.jp)より引用
まだ製剤の流通に制限があり使用できる量には限りがありますが、針を怖がるお子様たちへの新しい選択肢として、皆さまに接種の機会を提供していきたいと考えています。
従来のワクチンとの違い
点鼻ワクチン(フルミスト®) | 不活化ワクチン(従来のワクチン) | |
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対象年齢 | 2歳~18歳 | 生後6か月以上 |
接種回数 | 1回 | 12歳以下:2回を推奨 13歳以上:1回 |
投与方法 | 鼻腔内噴霧 | 皮下注射 |
費用 | 8,800円(税込み) | 12歳以下:3,300円(税込み)/回 13歳以上:4,400円(税込み) |
主な副反応 | 鼻炎、咳などの上気道症状(約30%) 発熱(5~10%) | 局所の腫れ、痛み(約20%) 発熱(5~10%) |
経鼻インフルエンザワクチンを接種できない方
- 明らかに発熱している方(通常は37.5℃を超える場合)
- 免疫機能に異常のある疾患をお持ちの方、免疫抑制剤を使用している方
- 経口または注射の副腎皮質ホルモン剤を使用している方
- その他、医師が予防接種を受けることが不適当と判断した方
接種に注意が必要な方
下記に該当する方は前もって主治医に接種の可否をご相談ください。
- ゼラチン含有製剤またはゼラチン含有の食品に対して、ショック、アナフィラキシー(じんましん、呼吸困難、血管性浮腫 など)などの過敏症を起こしたことがある方
- 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患などの基礎疾患のある方
- 過去に免疫状態の異常を指摘されたことのある方、または近親者に先天性免疫不全症の方がいる方
- 重い喘息のある方または喘鳴の症状のある方
- サリチル酸系医薬品(アスピリンなど)、ジクロフェナクナトリウム、メフェナム酸を服用している方