エールホームクリニック

MBVメッセージ

医療従事者に知ってほしい『3つの目』

2025年1月20日

いつも、ありがとうございます。

前回、感情コントロールの話を書きました。組織やそこで働く人を守るためには、参加する人全員が上手に感情コントロールすることが大切だという考え方を披露させていただきました。今回は、上手に感情コントロールするために、私が日々意識していることを書きたいと思います。

些細なことを「気にしない」ためのコツ

人を動かすには「感情」に訴えかける必要があります。喜び・嬉しさ・幸せといったウキウキ・ワクワク・ドキドキする感情こそが、人の心に響き、行動を促すことができる。だから、私はいつもニコニコ明るく元気を実践しています。とはいえ、私も体調が優れない時や自分のキャパを超えていると感じる日だってあります。ただ、そんなネガティブな感情に飲み込まれないよう、意識していることがあります。

それは、あえて「気にしない」ことです。

それができれば苦労しない。そうおっしゃりたいのはわかります。では、「気にしない」ためにどうすればいいのか?「鳥の目」を意識するのです。

経営学の素養がある人はご存じかもしれませんが「虫の目、鳥の目、魚の目で世界を見る」というのは、物事を分析する視点として使われる比喩です。鳥の目は、物事を全体から捉える視点のことをいいます。地上にある大きな物も、大空を悠々と飛翔する鳥には、小さく見えます。目先の小さな物事にとらわれず、大局的に世界を見渡すイメージが「鳥の目」という比喩に込められています。

虫の目、鳥の目、魚の目の連携が大事

ネガティブな感情は、たいてい小さなトラブルに端を発しています。多様な社会である現代は、価値観の異なるさまざまな人が共に暮らしています。そんな人たちが日常的に交流していれば、衝突することも間々あります。不合理な事態に巻き込まれることもあるでしょう。そんな時は、「鳥の目」で物事を見てください。大空を飛ぶ鳥の気持ちになって。ネガティブな感情を空の上から見つめてください。ネガティブな感情の原因が、些細なことに感じるはずです。そうやって、ネガティブな感情をコントロールし、いつも明るくしていると、運気が上がり物事が好転します。

ちなみに、「虫の目」は、物事の詳細を分析する視点のことを指します。この「虫の目」も大切です。私たち医療従事者は専門家です。患者さんの病状を丁寧に分析して原因を究明する。そのためには、微に入り細を穿つ「虫の目」が大事です。ただ、いつも・何でも「虫の目」で見ていると、大きなものが見えません。全体が見えないと判断を誤り失敗してしまうことも往々にあります。ビジネスの世界では、専門スキルを持った人材とマネジメント人材が役割分担をして組織運営をしています。医療サービスの世界でも、専門家とマネジメントする人が両輪となることで、医療機関の経営はうまくいきます。

「魚の目」は、物事を流れで見ることをいいます。過去から現在、未来といった時の経過の中で、物事を見る目です。時代を読み解いて会社や医療機関を経営するには、「静」だけではなく「動」を見なければなりません。「虫の目」、「鳥の目」、そして「魚の目」。この3つがそれぞれ連動することで、組織は永続できるのではないでしょうか。

虫の目、鳥の目、魚の目を使い分ける

私は医師であり、法人の理事長でもあります。その意味では、常に「虫の目・鳥の目・魚の目」を意識して、使い分けています。医師として患者さんと向き合うときは「虫の目」を駆使して専門家に徹し、理事長として医療法人を運営する際には「魚の目」で時代の流れを読む。そして、組織のリーダーとしては「鳥の目」で全体を俯瞰して、円滑なコミュニケーションを維持できるように、ポジティブでオープンな考え方を実践しています。

私はメディカルビットバレーを明るく元気な組織として保ち続けたいと常に思っています。そのために、私の中でもあるいは組織内でも、ネガティブな考え方や感情が渦を巻かないよう努めています。「鳥の目」で自分の感情を上手にコントロールできるように努めるのと同時に、医師や看護師を含め、メディカルビットバレーで働くすべての人がポジティブマインドでいてほしいと考えています。

ネガティブな考え方や感情は恐ろしいもので、一度それが沸き上がると、もの凄い速度と強度で蔓延します。がん細胞が健康な身体を蝕むように、あっという間に組織全体をダメにしてしまいます。ビジネスを学ぶと、その事例は枚挙に遑がありません。

組織の健康を維持して永続させるには、がん治療と同じで早期発見・早期治療です。メディカルビットバレーの内部に「ネガティブ」な要素が発生したら、早急に対応します。「ネガティブ」が蔓延しないよう、組織内コミュニケーションを活性化して働く人全員に予防的措置を取り、ポジティブへシフトするよう働きかけていきます。メディカルビットバレーを明るく元気な組織として保ち続けたい。切にそう願っています。

澁谷 裕之(しぶや ひろゆき)

医療法人メディカルビットバレー 理事長

新潟県長岡市生まれ。
弘前大学医学部卒業。
2020年4月に医療法人メディカルビットバレーを設立。

家庭医療専門医、プライマリケア認定医。
好きな言葉は「即断即決即実行」、「適材適所」。

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