エールホームクリニック

ドクターズコラム

ドクターX

2024年10月29日

先日、俳優の西田敏行さんが他界されました。
彼の故郷は福島県郡山市で、私の父の出身地と同じです。
台詞回しの際に醸し出す郡山弁のイントネーションは、私にとって大変親しみ深く、懐かしさを覚えるものでした。

西田敏行さんは生前、数多くのドラマ・映画で活躍され、主演、助演いずれにおいても独特のインパクトを残しています。
中でも、私にとって印象深い役柄は、「ドクターX」の蛭間重勝です。

蛭間は東帝大学病院の院長として絶大な権力を振るい、パワハラ、セクハラは当たり前の、実に前時代的なキャラクターで、米倉涼子さんが演じるフリーランスのスーパー外科医・大門未知子の敵です。
しかし西田敏行さんの蛭間は、どこか憎めず可笑しい、人間臭い存在でもあります。

もちろん蛭間のような人物が実際に私の周囲にいたら、シャレにならないし、許せないでしょう。
最近の追悼特番で再放送されたドクターXを拝見して、芸達者の西田敏行さんだから、毒があっても笑って見ていられるんだろうなと改めて感じました。

ドクターXにはさまざまな医師のキャラクターが登場します。
私は内科医ですが、医師としてはやはり大門未知子に憧れます。フリーターと揶揄されながらも、どんな難手術も完璧に遂行して蛭間院長ら権力者を黙らせるカッコいい女医です。
「(医師のライセンスを必要としない仕事は)致しません!」あるいは「私、失敗しないので!」といった大門未知子の名ゼリフを耳にするたびに、私も一度は言ってみたくなる思いに駆られます(笑)。

大門未知子のモデルになったスーパードクターは複数存在するようです。

その一人がコロンビア大学移植外科教授の加藤友朗先生であることを、私はつい最近知って、先生の著書「『NO』から始めない生き方」を読み始めたところです。私自身は所詮、凡人だと自覚しつつも、できるかぎり真摯に患者さんに向き合い、謙虚に日々の診療に臨んでいきたいと思います。

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